"Don't play what's there. Play what's not there."

TAG LIST

NETFLIX

『ブリジャートン家』シーズン3のテーマは“孤独”?光と愛を求める2人の女性に注目

Netflixの数ある人気ドラマの中でも、世界的な人気を誇る『ブリジャートン家』。19世紀ロンドンにおけるデビュタントを中心に貴族たちの恋愛を描いた作品で、約2年ぶりとなるシーズン3が配信された。本記事ではパート1(前半4話)とパート2(後半4話)の内容を織り交ぜて紹介していく。

今までの『ブリジャートン家』とシーズン3のメインテーマ

眩い世界で生きる当時の貴族の女性たちは、一定の年齢になると社交界デビューし、シーズン中毎晩のように開かれる舞踏会で生涯の伴侶となる人物を探していた。4男4女からなるブリジャートン家の子供たちも例外ではなく、シーズン1では長女のダフネ(フィービー・ディネヴァー)がデビュー。女王から“今季のダイヤモンド”という名誉を得たが、地位ではなく愛を求めヘイスティングス公爵(レゲ=ジャン・ペイジ)と結婚した。

シーズン2のメインとなったのは長男アンソニー(ジョナサン・ベイリー)。亡くなった父親の代わりに家を守ってきた彼もまた、妻を探す決心をし、積極的に社交界に関わっていく。そしてインドからやってきたケイト(シモーヌ・アシュリー)に惹かれ結婚することを決意。ストーリーの語り手を担う社交界新聞の著者について、衝撃的な真相も明らかになった。

そして今回のシーズン3では、次女のエロイーズ(クローディア・ジェシー)に続き、三女フランチェスカ(ハンナ・ドッド)が社交界デビュー。音楽が好きなフランチェスカは、しばらく外国にいたため過去2作ではあまり登場しなかったが、今回夫を見つけるために舞踏会に足を踏み入れる。

また、今シーズンでは三男コリン(ルーク・ニュートン)とフェザリントン家の三女ペネロペ(ニコラ・コフラン)の関係性にも焦点が当てられる。今までは良き友人として過ごしてきたが、しばらく旅をして帰ってきたコリンは饒舌になり、女性にもてはやされる。昔からコリンに好意を抱いていたペネロペは、そんな彼を見て本気で夫を見つけることを決心する。

そんなフランチェスカとペネロペには共通点がある。それは兄弟の誰よりも控えめで、心に“孤独”を宿しているということだ。フランチェスカは隙あらばピアノを弾き、ペネロペは読書をして自分だけの世界に入り込む。ペネロペは社交界3年目だが上手く馴染めず、自らを「壁の花」と例えている。フランチェスカは、誰もが良き男を狙っているその息苦しい雰囲気から舞踏会を抜け出してしまう。ただ、2人とも自分だけに向けられた愛を求めているだけなのだ。

(※ここから先はネタバレを含みます)

控えめな三女・フランチェスカが見せる輝き

フランチェスカは“今季のダイヤモンド”には選ばれなかったものの、舞踏会を抜けて秘かにピアノに向き合っているところを王妃に見つかり「努力が楽しいのね」と声をかけられる。他人のためでなく、自分のために努力できる彼女を見て「“輝いている”と言えるかも」と女王は感動し、フランチェスカは良き夫探しの手助けをしてもらえるように。しかし、少し投げやりにも見える彼女の結婚への姿勢に、母ヴァイオレット(ルース・ジェメル)は不安を見せる……。

フランチェスカは決して結婚に後ろ向きなのではなく、自分も兄や姉と同じように運命を感じる必要があるのか疑問に思っているのだ。また同時に、向いていないことを無理にしようとするのではなく、自分らしさを保てる関係性を築ける相手を求めている。そんな彼女に共感を覚える人も多いことだろう。

そしてある日、フランチェスカは運命的にキルマーティン卿(ヴィクター・アリ)と出会う。彼は、フランチェスカと同じように少しシャイで人前で話すことが苦手。性格が真逆のパートナーの場合は自分の知らない世界を見せてくれる楽しさがあるが、自分と同じ気持ちを共有できる関係性も魅力的だ。運命的な愛ではなく、ゆっくり育んでいく愛もまた美しい。フランチェスカは兄や姉とは違う愛の形を見せてくれた。

「壁の花」ではなく光を求めるペネロペ

一方ペネロペは、今までのフェザリントン家をイメージさせる緑や黄色といった濃い色味のドレスから、淡い水色をベースにしたドレスに思い切ってイメージチェンジ。舞踏会では誰よりも目立ち、彼女に話しかけてくる男性も増えたのだが、話下手ですぐに人が去ってしまう。「心の底では賢くて面白い女性でいられると思ってる」と本心を語る彼女の表情からは、ダフネやアンソニー、そして本の世界で見てきた“愛”を本気で求めていることが伝わってくる。自分に条件が合う男性を探している他の女性や、そんな女性たちを嘲笑う男性たちとは異なる純粋な気持ちだ。しかし自分が上手く話せないせいで機会を失っていると、自分を責めてしまう気持ちも滲んでいる。フランチェスカ同様、彼女には自分を偽らずともありのままでいられる人がお似合いだ。

そして思い悩むペネロペを心配したコリンは、ペネロペの夫探しを買って出る。ペネロペは、コリンとの関係はこれ以上発展することはないと察し、その申し出を受け入れる。そんな頃、噂に興味を持たず自分の世界を生きているデブリング卿(サム・フィリップス)と出会うペネロペ。一方、恋するペネロペの様子を見たコリンは、自分の本当の想いに気が付いていく。

またペネロペは、シーズン2で社交界の噂話を書いた新聞の著者レディ・ホイッスルダウンであることが明らかになっている。(と言っても、その事実を知っているのはエロイーズのみ)そして今シーズン、ペネロペは自分やコリンのことも記事にせざるを得ない状況に陥ってしまう。

パート2ではコリンとペネロペが心からの愛を誓う一方で、レディ・ホイッスルダウンに憤慨した女王は正体を明かそうと懸賞金をかける。そこには自らを偽って自分が招待だと明かす人や、配達員を追いかける人など様々現れ、ペネロペは不安のあまり失神。愛する人に自分の全てを明かすことができない苦しさと、全貌をエロイーズに見られている窮屈さがあったのだろう。

人には誰しも秘密があるだろう。愛を誓って結婚するからには全てをさらけ出した方が良いだろうが、ペネロペのように、相手のためになる嘘であれば隠し通すのが幸せへの道という場合もある。コリンは最初は激昂していたが、徐々に彼女の気持ちも受け入れ、夫婦として新たな人生を歩み始める。2人を見ていると、秘密があるならそれを受け入れることこそ、真の愛と言えるのかもしれないと考えさせられた。

さらに、エロイーズや、母や姉たちとの絆を再構築したペネロペ。女性としての生きにくさ、そして光に当たりたいという強い勇気がペネロペを本当の光に導いた。

ペネロペとフランチェスカのほかにも、次男ベネディクト(ルーク・トンプソン)や母ヴァイオレットにも春が訪れ、アンソニーとケイトの間には子供もできるなど、それぞれのドラマが進展した今シーズン。無事に結婚したフランチェスカと、世界を見たいと願うエロイーズはともにスコットランドへ向かった。シーズン4の製作も既に決定しており、次回は誰に焦点が当てられることになるのか……。意味深な表情を見せたフランチェスカのこれからも気になるところだが、残されたブリジャートン家の人々の未来をこれからも楽しみに待ちたいと思う。

  • 記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
伊藤 万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

  1. 『ブリジャートン家』シーズン3のテーマは“孤独”?光と愛を求める2人の女性に注目

  2. 花嫁と両親に捧ぐ、名作『花嫁の父』から最新作『花嫁のママ』までを振り返る

  3. 平凡な日常にもドラマがある、映画『パターソン』から考える自分なりの幸せ

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

RECOMMEND

RANKING

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
PAGE TOP